三
度目は真狩口。6時に登山開始、雲が切れていない。頂上は厚い雲がかかっている。記帳を済ませ薄暗い坂道を辿り始める。何度登ってもキツイ登りで私にとっ
ては8合目辺りが一番つらい。吹き出す汗は塩分を失って身体の動きが悪く一歩がきつく感じる。8合目を過ぎ、避難小屋方向へトラバースすると頂上は近く見
える。虻田
高校のスキー部が駆け足で登り降りするのに出会った。若いエネルギーを感じて自分の老化を思い愕然として、近くに見える頂上が遠く、一歩が重い。雲海が切
れた。いつもこの眺めに騙されて登ってくるのだ。同行したTakeさんは私を置いて単独で頂上を目指した。少し心配だ。過去に十人以上の登山客の命を奪っ
ている山でもあるのだ。幸い好天に恵まれたし紛れやすい分岐は無いので概ね大丈夫と割り切る。 しかし彼はこれが響いて下山には完全にグロッキーでやっと
の思いでたどり着くことになる。 この山は5合目を過ぎるまで実に単調できつい登りがあるだけなのでまるで罰ゲームなのだ。以前の2回は1984年と
1985年、比羅夫口から息子と二人だった。二回とも息子は父親に騙されて登ったが、これに懲りて二度と登山はしなくなった・・・・。 そして6年後の2009年9月は雲の中だった。昔の写真は一番下です。 |